「そういえば…お姉ちゃんさ…」
「アヤメ、何でそんなに息切れしているのよ」
「は…アハハ…何でもない…」
「桜太くんって呼ぶので照れちゃった?」
「断じて違うっ!」
思い切り握られたあたしは、手がジンジンしていた。
何も知らないで乙女な発想をするお姉ちゃんが、羨ましい。
「で?何よ」
「結婚式したの?」
「あーそれね、しないことにしたわ」
「は!?」
「やっぱりレンタル料高くってねー」
「あーそうですか…」
「それとも何?
アヤメと桜太くんが着る?」
「お断りします。
桜太くんには彼女がいますから」
「良いわねぇ青春していて。
アヤメも早く彼氏作ってお家、連れてきなさい」
「あんまり期待しない方が良いけどねー」
あたしはパンを食べた。