時は過ぎ放課後。
あたしは胡桃と別れ、家ではなく雑貨屋さんに向かった。
今日のパーティーの飾り付けを買うためだ。
にしても、望月桜太くんかぁ。
クラスメイトだったのに知らなかったなぁ。
向こうはあたしのこと、知っていてくれたのに。
望月くんのことをちょっと授業中、気になって見てみたけど。
いっつも男子に囲まれていて、楽しそうにあの弾けるような笑顔を見せていて。
しかも胡桃も言っていたけど、確かに紳士!
男子だけでなく、何か聞かれたら女子にも色々教えてあげていた。
当たり前のことなんだけど、その教え方がとっても上手く、先生以上らしい。
しかも休み時間、扉付近で話していると思ったら、ガラリと突然扉を開けて。
教室から出て行こうとしたクラスメイトのために開けていると知った時は、驚いたなぁ。
突然自動ドアみたいに開いたものだから、クラスメイトは驚いていて。
驚くクラスメイトに、望月くんは「どうぞ」って優しい対応で。
あの神々しい笑顔が、全く崩れないの!
よくああいう完璧男子って、裏で「ケッ」とか思っているんだろうけど。
望月くんの場合、そう言う素振りを全く見せない。
密かに仲の良い男子に評判を聞いてみたけど、皆して口を揃えて、「アイツは完璧だ」って。
たまに遊びに行っても、行動1つ1つに驚かされることばかりなんだって。
しかも1番尊敬出来る部分は、何より彼女を一途に愛している所!
どんな時でも連絡は欠かさずとっていて、だからといって束縛はしなくて。
愛されているんだろうなぁ、彼女さん。
誕生日やクリスマスには、毎回プレゼントにとても悩んでいるみたい。
…なんて理想の男子なの!