「良い加減起きろこのドアホ!」
バシーンッ!
今日も河西家の2階では、俺が変わらずアヤメを起こしていた。
1回声をかけただけでは起きないアヤメは、俺が叩いた場所をさすりながら体を起こした。
「もっとましな方法で起こせないの……?」
「お前がすぐ起きねぇのがいけないんだろーが」
「暴力反対……」
眠たげに欠伸をするアヤメ。
俺は扉を開け、首だけ後ろを向く。
「早くしろ、ノロマ」
「一言余計だっつーの!」
アヤメが洗面所に向かったのを見送り、俺はリビングの椅子に腰かけた。
「未来の弟、ジャムいるー?」
「あっよろしくお義姉(ねえ)さん」
自然になって来た、お義姉さんこと椿さんとの会話。
その会話の度、兄貴は苦笑していた。