まるで少女漫画みたいな展開に、あたしの心は高鳴る。
……誰なの?
アホだとばかりだと思っていた男子なの?
「むやみやたらに手を出すその癖、止めておいた方が良いと思うけど」
低いのによく通る声が聞こえる。
これぞイケボってやつなのかな?
「は?すっこんでろ」
「今から3秒数える。
3秒以内にどこかに行けば、この場は許してやる」
「は?何を言ってんだ――」
「321、はい終わり」
「は!?
てめぇ数えんの速すぎだろ!?」
「……許すわけないだろ」
ボカッと
清々しい音が廊下に響き、
ドサッと
簡単に不良男子が廊下にぶっ倒れた。
周りにいた不良集団の残りの表情が、サッと青くなり…
「すみませんでしたーっ!」
倒れて気を失ったらしい不良男子を抱え、一目散に逃げて行った。