あたしの前を軽やかに走っていたユキくんは、いきなりピタリと立ち止まった。
「ユキくん、どうしたの……」
立ち止まって息を整えていると。
いきなり背中にガクンと体重がかかる。
我に返った時、あたしは地面にうつ伏せになる形で倒れていた。
…デジャヴ?
「イテテテ…本当に弾力性のねぇクッションだなぁ」
どうやら彼が、あたしの背中に落ちてきたらしい。
「ちょっ…桜太!どいてよ!!」
「おっ?
初日よりはほんの少し知能が上がったみたいだな」
「失礼だよ!?
良いから、どいてってば!!」
「あ゛?黙ってろ」
どうやら座っていたらしい桜太。
それが立ち上がる感触に変わる。
「にゃっ!」
あたしの目線の先で行儀良く座っていたユキくんまで、あたしの上に乗っかった。