「……ごめんなユキ。
俺が真幸を殺すことがなかったら、ユキは今でも真幸の傍にいられたのにな」




俺がプレゼントを買って来いと言わなければ。

真幸が死ぬことがなかったのに。




プレゼントなんていらなかった。

真幸が傍にいてくれるのなら。

他の誰も見ないで、俺だけ見てくれたら。





「なぁユキ、知ってるか?
真幸は2度、俺を助けてくれたんだ」




1度目は小学生の時。

人見知りで本ばかり読んでいた俺は、よく図書室に通った。

ある時本を返し忘れ、情けなくビクビクしながら図書委員に返し忘れた本を渡した。




『よく来ているよね?望月くん』




その図書委員が、真幸だった。

真幸は俺の本の貸し出しカードの借りた日付をいじり、

予定返却日に返しに来た、と嘘のことを先生に言ってくれた。

お蔭で俺が怒られることはなかった。





2度目はやっぱり、裏表を使っていた俺に、

『それじゃつまらない』と言ってくれたこと。

あの一言が、間違いなく俺を変えた。

そして――真幸と付き合った。