「……ごめんねアヤメちゃん。連れてきちゃって」
「…ううん、良いの。ありがとう」
あたしはお墓の前で手を合わせ、風太さんと元来た道を歩き出した。
「…あたしこの間の放課後、桜太と一緒に、階段を上った先にある場所に行ったの」
「もしかしてそれ…夕焼け公園?」
「そう……」
夕焼けがよく見える、綺麗な公園。
そこであたしはユキくんに出会った。
「夕焼け公園からここ、見えるよね」
「……うん」
あの場所で餌をあげる。
それはきっと…真幸さんに会いに来る意味もあったんじゃないかな。
「……ねぇ、風太さん。
あたし、ちょっと気になることがあるんだけど」
「何?」
「あたし、真幸さんのお母さんに会ったの」
「幸恵(ゆきえ)さん?」
あの人、幸恵さんって言うんだ。