『猫ぉ?
駄目駄目、風太さんは猫アレルギーだもの』
公園のベンチに座り、お姉ちゃんに電話をしていた。
「猫、アレルギー」
『そうよ』
「…近くに風太さんいる?」
『いるわよ。風太さーん、アヤメよ』
すぐ近くにいたようで、風太さんの声に変わった。
『どうかした?アヤメちゃん』
「……風太さん、猫アレルギーは本当ですか?」
『本当だよ?』
あたしは黙り込んだ。
膝の上では、ユキくんが眠っている。
『アヤメちゃん、今どこ?』
「公園ですけど…」
『今から行く。
ちょっと待ってて』
驚いていると、一方的に通話が切れた。
……何があると言うのだろうか?