「俺だって嘘つきたくねぇよ!」


「じゃあ何で……!」


「うるせぇよ!
お前に関係ねぇだろ!!」


「桜太っ!!」





あたしは走り出した桜太の背中に向けて叫んだけど、

桜太が立ち止まることはなかった。

あたしはユキくんを抱き上げた。




「にゃあ……」


「心配だよね、桜太……」




寂しそうに鳴くユキくん。

きっとユキくんはわかっている。

どうして桜太が嘘をつくのか。




「……ユキくんのお家は、どこ?」


「にゃあ」


「あたしも、ユキくんの気持ちがわかれば良いのに」




そうしたらわかったのかな。

桜太のこと。