そして足早にドンドン進んでいく桜太と
桜太を必死に追いかけるユキくんを追いかけた。
「待って、待ってよ桜太!」
「にゃっ、にゃっ」
あたしとユキが何を言っても、桜太は歩くのを止めない。
「風太さん猫アレルギーなんじゃないの!?」
1回立ち止まり叫ぶと。
桜太の足も、ピタリと停まった。
「どうして風太さんが会いたがっているなんて嘘ついたの!
風太さんは猫アレルギーなんじゃないの!?」
「……」
「桜太!
どうして真幸さんのお母さんに嘘ついたの!?」
わからないよ。
桜太の嘘の真実が。
「……しょうがねぇだろ!!」
桜太は声を震わせるようにして、思い切り叫んだ。
驚いたユキくんが、あたしの足元にやってきた。