「ちょっとワタシ出るわね。
男女だからって、変な真似しちゃ駄目よ」




…もうしたけど、な?

何も知らない先生を、心の中で嘲笑った。




「……桜太」


「何だ?」


「怪我、大丈夫なの?」


「別に、大した怪我じゃない」




不安そうに俺を見つめるアヤメ。

…やっぱり、似てる。




「……ちょっと具合悪い」


「へ!?
じゃあベッドに横になった方が…きゃ!」




俺はアヤメに覆いかぶさった。




「アヤメ」




わざと色っぽく声を出し、耳元で囁く。




「ヒャッ……」


「…何?耳弱い?」





……うぶ、だな。