桜太が言いなりになっていたら、それこそ可笑しい。
天地がひっくり返ってもあり得ないことだ。
「ちゃんと、好きなら好きって言って、他の人には手出ししない方が良いよ」
「……口出しするな」
「でもね桜太、あたし――…」
「黙れッ!!」
ガシッと乱暴にあたしの肩を掴んだ桜太は、乱暴にあたしをベッドに押し倒した。
「……お前、ここで襲っても良いんだぞ」
「あんた、退学になるよ!?」
「退学になるか。
俺みたいな優秀な生徒を退学にするような真似、教師がするはずない」
「桜太っ……!」
「俺と真幸がどんな関係だって良いだろ。
お互い好きなように生きる――そう俺たちの約束なんだよ」
淡いピンク色のハートが揺れるネックレスが、頭をよぎった。
雑貨屋さんで桜太が買っていた、彼女さんへのプレゼント。
「……好きなんでしょ、彼女のこと」
「……」
「真幸さんが最初に、桜太以外の男に手出しするようになったの?」