抵抗する間もなく、顔がどんどん近づいてくる。

密室の保健室。

ベッドの上で見つめ合うふたり…。

一体、どこの少女漫画ですか…!?





「もちもちじゃなくて、今は桜太って呼んでよ」


「もっ」


「桜太って呼ばなかった、お仕置きね」




チュッとリップ音を立てて、キスされる。

触れるだけの、キス。





「もちもち、離れてっ!」


「もちもち、禁止」




リップ音を出して、再びのキス。

やっぱり触れるだけのキス。

それでも恥ずかしいのはきっと…慣れていないから。




「桜太…離れてっ!」




よし、離れてくれる。

そう考えたあたしだけど、見事に崩れ去った。





「んっ……!」





桜太は何も言わず、あたしにキスした。

しかも、触れるだけじゃない。

口の中に、“何か”が入る、ディープなキスを。