「ねぇもちもち。
もちもちがボールをあたしにぶつけたの?」
「あ?…そうだけど」
「そうなんだ」
「悪かった。
試合、出たかっただろ」
「出ない方が良かったから、ありがとね」
「堂々とサボれてラッキー、とか考えてんのか?」
「考えてるよ?」
「性格悪(わり)ぃな」
「もちもちには負けるよ」
「俺がいつ性格悪くなった」
「あたしの前ではいつも悪いよ」
「失礼なこと言うな。
やっぱりお前は失礼だ」
「失礼じゃなくて、素直だと言ってよ」
「どこが素直だ、性悪女」
「性悪女じゃないし、性悪男」
「俺だって性悪男じゃねぇよ」
「あーあ。
あたしももちもちほど運動神経が良かったら良いのに」
「無理だな」
「どうしてー?」
頬っぺたを膨らませ聞いてみる。