「ぉ、サンキューな。じゃ、俺用事あるから。」


すぐに背を向け走り去っていくその顔は朗らかで、とても別れ話をしたあとには見えない。


その理由は 


「もー遅いっ!」

「ごめんって。で、クレープだっけ?」

「うん!楽しみ~♪」


腕なんか組んで微笑みながら歩く彼と知らない女子。


傷ついていないと言えば嘘になる。

でも、


「ずっと好きだったよ、バカ。」


誰にも聞こえないように小さな声で呟く。