うちの小さな祭壇に写真が飾ってあります。あの朝早く、わたしはそれを見に行きました。母さんたちはまだ寝ていました。写真の父さんは、厳しい面をしています。やせて、口をきゅっと一本の線にして、目は右ばかり見ています。それでも、じっと見ていれば父さんもわたしに気がついて、こっちを見てくれるかもしれない。私は九歳でしたが、まだそんなふうにおもっていました。