私、辻本孝典は『愛』なるものを信じていない。
そもそも愛なんて見えないものをどう証明する?
どうやって永遠の愛なんてものを誓う?
純愛なんて言葉が存在するけど、現実にそんなものが存在するのか甚だ疑問だ。

私がこんな風に考えるようになったのは
自業自得とも言えるだろう。
けどそのことがなくても
知らないだけでそうなんだろう。

私の高校での女性関係は少し、いや割とかな?
まぁとりあえず荒れていた。
自分で言うのもなんだが、私は無害に見える。
人畜無害、そんなやつだ。
けど実際は違う。
少しでも私に気がある子を手篭めにしてカラダだけ楽しんで、相手がそうされてることに気付いたらオワリ。
そしてまた次の子を探す。

そんな風に
1人の女の子と関係を持っていた時のことだ。

その子には彼氏がいた。
けどどうやら彼氏との関係が微妙だったらしい。
そして友達になった私と2人で居る時に
場の雰囲気で食べられてしまった、と。
彼女曰く、前から私に興味を持っていたらしく私にならそうされてもいいと思ってたらしい。

つまり、
彼女は元よりその様なことを覚悟していた。
見方を変えたら寧ろその様なことを望んでいた。

その時私は愛がわからなくなった。

彼女は彼氏ととても仲が良さそうだった。
だが楽しそうに見えて内心では微妙だなぁ、と思ってたわけだ。
でも彼氏は愛し愛されてると思っている。

彼氏からするとそこには愛が存在してるだろう。
では彼女からするとどうだろう?
彼女は愛されてるのはわかっていただろう。
だが彼女は彼氏を愛していなかった。
愛さず愛されてる関係だ。
ここに愛は存在しないと思う。