沙悟浄の家ではというと、
「あなた、明日もはやいのですからそろそろねる支度をしたほうが。」
「わるいな彩、この資料ができたらねりわ。」
「あなたは、仕事熱心ね。」
「そうか?普通やと思うけどね。」
「三蔵さまとの旅も終わり、二十五年いまではまるで別人のように教師の道に行ってしまって。真面目に仕事をしているあなたを見るとみんななんというでしょうね。」
「ほんまやな。それにしても、お師匠様の様態がよろしくないみたいやからね。俺も行かなとはおもってるんやけど。なかなか、行く時間がなくてな。お前変わりにいってきてくれへんか?」
「あなたがいくほうがよろしいのでは?」 
「まぁ、そやな。兄貴にまかしっぱなしやしな。ちょっといってみよかな?」
「いきなり、どうなさいました?」
「いや、今会っとかんと二度と会われへんようなきがしてな。」
「不吉な予感ですか?あなたの占いは当たりますからねぇ。いってきてくださいな。」
「あぁ、いってくるわ。」
沙悟浄は相変わらず真面目でせっかちな性格、思い立ったら吉日という感じで、すぐさま用意をして、その夜に旅立ちました。
「ほんなら、いってくるよ。」
「行ってらっしゃいませ。あなた。」
「お父ちゃんどこいくの?」
そう言って寄ってきたのが息子の悟天と娘の鄒鈴でした。
「お父ちゃんはいまからお師匠様のとこにいってくるからな。お父ちゃんが留守の間お母ちゃんの言うことちゃんと聞くんやで。」
「はーい。」
「ほな、いってくる。彩留守の間頼んだで。」
「はい。」
そう言うと、沙悟浄は雲に乗り三蔵の元へ向かったのでした。