そのころ、猪八戒はというと。
天の川をながめていました。
「また、天の川を眺めているのですか?」
そばに駆け寄ってきたのは妻の麗美でした。
「おお麗美、きてたのかい?」
「あなたが、居なくて寂しいからねつくこともできませんわ。」
「お前は甘えん坊だな。八景は寝たのか?」
「ねつきましたよ。あなたに似て寝るのが好きなこですからね。」
「末が楽しみなやつよの。」
「天保元帥の頃を思い出しているのですね。」
「ああ、あの頃は楽しかった。俺もこう見えてあの頃は美形だったんだぞ。」
「あなたの、凛々しい目を見ればわかります。さぞ、素敵なお方だったのでしょうね。」
「まぁな、悟空の兄貴のお陰で今はこんな姿よ。あの頃は憎かったけど、いざ旅をしてると、以外と面倒みのいい兄貴でな何度も助けられたっけなぁ。」
「あなたはいつも悟空さんの話ばっかりして。」
「あいてぇもんだな。でも、兄貴はいまなにしてるんだっけなぁ。」
「三蔵さまの看病で忙しいのよ。」
「お師匠様も幸せだろうなぁ。兄貴に看病してもらえるなんて。昔は兄貴も、やんちゃ暮れで手に負えなかってな、頭に金の輪っかはめられてたのに。今じゃ自分から看病するだなんてな。」
「立派なお弟子さんをお持ちになったのね。」
「あぁ、立派な兄貴だ。」
「あ、八景がおきたわ。」
「おぉ、つれておいで。八景あれが天の川だぞ。」
ここでも、孫悟空の昔話で盛り上がっていました。