天竺大雷音寺の旅が終わりあれから、二十五年の月日が流れた。
三蔵は64歳になり、病に苦しんでいた。
沙悟浄は学校の教師になり、猪八戒は結婚をして、子だからに恵まれた、生活を送っていた。
そして、孫悟空も凛々という嫁を授かり夫婦仲良く三蔵の看病をしながら、美猴王としての勤めも果たしていた。
孫悟空が美猴王の仕事をしているときは凛々が三蔵の看病するという順番でみていたが、三蔵の病気が悪化してからと言うもの、美猴王としての仕事は息子である、飛燕に託したのであった。
「お師匠さん、具合はどうですか?」
「おお、悟空か!今日はなんだかいつもより調子がいい、西遊記の続きでもかくとしようか。」
「いいですねぇ、出来上がりが楽しみだ。お師匠さん、俺のことはカッコよく書いてくださいよ。」
「ああ、それにしても済まないないつもいつも看病してくれて。」
「なにをおっしゃいますか。お師匠さんがいなけりゃ今頃私は五行山の中ですよ。机を用意しますね。おい、凛々!お師匠さんが西遊記をかくそうだ、準備してくれ。」
「わかったわ。」
「飛燕のほうは、問題ないか?」
「問題ないみたいね。」
「そか、それはよかった。凛々済まないな俺の勝手でお師匠さんの看病手伝わしてしまって。」
「いいのよ、私はあなたについて行くときめましたから。」
「そうか、俺は幸せもんだな。」
「急になんですか?あなたらしくもない。」
「へへ、いやなんかな。」
「昔の斉天大聖とよばれたあなたはどこにいったんでしょうね。」
「五百年も前の話だ。」
「天界で暴れ回ってたあなたが丸くなったものね。いいことなのか、悪いことなのか。」
二人は昔話で一晩中盛り上がっていました。