「お釈迦様ー!お釈迦様ー!」
「悟空か、ひさしぶりですね。玄奘の事は聞いております。お気の毒でしたね。」
「今はそれどころじゃねぇんだよ。下界がとんでもねぇことになってんだよ。」
「とんでもないことですって?」
「そうだよ、それでききてぇことがあんだけどよ。前に俺らが大雷音寺にいったときによ、お釈迦様は俺らに妙なこといってたよな?」
「妙な事ですか?」
「あぁ、確か三蔵信経はお師匠様自身だとよ。玄奘が死ねば、三蔵信経の効果は無くなるとか?」
「あぁ、言いました。あの経文は玄奘自身です。だから、玄奘に三蔵という名前を授けたのです。」
「じゃあ、これはそう言う意味かい?」
「これ?とは?」
「この三蔵信経をみてくれ。」
そう言うと悟空は白紙の三蔵信経を釈迦如来に見せました。
「これは、不吉の前兆です。悟空!下界は大変な事になります。直ちに手を打たないと。」
「どうすりゃいいんだよ!なんか手はねぇのか!!」
「あります。私の寺、大雷音寺に行って新しい経文を取ってくるのです。」
「新しい経文?!」
「はい。新三蔵信経を!」
「新三蔵信経?何でもありじゃねーか!」
「そう言うわけでわないのだが、三蔵信経より、強力な力はもっている。」
「また、筋斗雲使えないのか?」
「と言いたいとこだが、そうもいってられん、早くしないと下界も危ないですからね。ただ、今の大雷音寺は魔物たちで栄えてる、その魔物たちを退治しないと、新三蔵信経を取るのは難しい。」
「あー、めんどくせぇが仕方ねぇ!やってやらぁ!」
「頼んだぞ悟空!下界の未来はお前にかかっておる!」
「いってやらぁ!任してくれ!期待には答えてやるよ!あんたともなげぇつきあいだからよ。じゃあな!」
「旅の無事を祈ります。」
「死にしねぇよ!」
そう言って悟空は下界に帰った。