あの光は、妖精。
見るのは初めてだが間違いないだろう。

倒れているのは女のようだ。

あの女は何者だ…?
なぜこんな、危険なにいる?

なぜ、神聖な妖精に守られるように眠っている――――?

疑問は後を絶えない。
だが、横たわる女の姿がはっきりと見えたとき、俺は息をのんだ。
後を絶えなかった疑問は吹っ飛び、ただただ女に見入っていた。


白い肌に、艶のある黒い髪。
着ている真っ白なワンピースがよく似合っている。
極めつけは、その容姿。
この世のものでは無いくらい、美しい。

寒い夜を薄手のワンピースで過ごしたせいだろう、顔は青白い。
だが、他国の王女など綺麗な女性を見てきた俺が美しいと思うのだ。
一般市民には女神のように見えるのではないだろうか。


彼女の腕に触れてみると、驚くほど冷たい。
このままでは死んでしまう。


「…城に連れていくか」


そう呟いた俺は彼女を抱き上げ、ユキがいるところへと戻っていった。