「…いい加減、問題を解かないと契約時間内に終わらなくて、本当にご褒美は無しですね。あーっ良かった。嬉しい」



ぶっきらぼうに言った先生は、私の顔を見るなり、そっぽを向いた。



先生との…想像してたら、顔に出ていたらしい。



受験対策の問題集を広げながらも、まだまだ顔が綻ぶ。



先生とずっと一緒に居たいな。



受験が終わるまでの家庭教師。



離れたくないから、今、この瞬間までもが大切なんだ。



大学生になっても、一緒に居られるように、今を頑張ろう。



先生の隣を歩けますように―――……



「ここから、ここまでね?」



「うわっ…問題有りすぎ!!意地悪っ!!」



「成績優秀な、みのりちゃんなら余裕でしょ?」