「無理だよ…一問も間違えないなんて、無理…」



「しょうがないから、間違えは三問までな?…もしも全問正解したら、もう一つ、何でも願いを聞いてやるよ?…」



「何でも?」



「うん…犯罪以外ならな…」



“犯罪”



……こないだ、先生の吸っている煙草が気になって、つい出来心で、トイレに行った隙に口にしようとしたら……



ゴンッ。



頭に鈍い衝撃と共に、低い声で…

『ふざけてんじゃねぇ』

と言われた。



いつの間にか、戻って来た先生は、私の行動に気付き、そっと近づいた。



『高校三年の分際で、煙草に手を出すな!!しかも、残り僅かな俺の煙草に……』



ブツクサ言いながら、バッグにしまった。