とそんなように玲央のブリザード攻撃を交わしていると、いつの間にか本社ビル近くまで到着したようだ。


「この上に停まるのか?」


このビル……30階ぐらいないか?


俺……というか高澤家の人間は立ち入ったことがないはずだから分からないけど。


「この上にお前を通すわけにはいかないらしい。大旦那様が社長室に続く隠れたヘリポートを用意してくださった。ちょっと車体が揺れる可能性があるから捕まっておけよ。」


おい、マジかよ……。


玲央は一旦車体を20階あたりに下げ、そのままビルに向かっていった。


「玲央!ビル壊す気か!?」


「違げーよ!よく見とけ!」


ぶつかると思った瞬間、ビルの一部が……開いた。


このビル上の20階から25階あたりがヘリポートの役目を果たすらしい。


「着いたぞ……ってお前大丈夫か?呆けてるけど……」


「あ、ああ………。」


なんか社長に会う前にかなり疲れた………。


「13時ちょうどだな。お前の服装はそのままで大丈夫だからすぐに向かうぞ。」


「俺が会社の中歩いて大丈夫なのか?」


「そこは安心しろ。ここ20階に社長室がある。あの扉を超えてすぐだ。」


玲央が指差す先に確かに扉が見える。


「ここは緊急事態の時か、受付から通せない客を呼ぶ時に使うんだ。」


凄えな……。


俺ん家のビルもこんな感じにしようかな……。


「じゃあ行くぞ。もう待ってらっしゃる。」


玲央に急かされるようにして社長室に向かった。