「あれ?そのパーカー、光輝の?」 「え?……あ、はい。昨日借りて…」 なんで分かったんだろうと、恐る恐る美雪さんの顔を伺うと、微笑みながら口を開いた。 「あ、あんまり公にはしてないけど、私と光輝、婚約してるの。お互い家がおっきくて、それで」 はにかむように笑った美雪さんとは対照的に、きっと私の顔は凍っている。