そう思った瞬間、奴の腕が、巨大化して
ぐわっ!!っとこちらに向かって伸びた。







爪はどんどん鋭くなり、俺たちに襲いかかる。



や…ヤバイ!防御が間に合わない!!



ぱぁん!!!



切り裂かれる!と、思った瞬間

目の前まで迫っていた奴の手が、
ふっ、と消えた。



「な…なんだ?!なぜ俺の魔法が消えた?!」



男は動揺して叫ぶ。


すると、俺の隣に立っていた“青年”が、すっ、と一歩前に出た。



まさか、ジンさんが奴の魔法を一瞬で解いたのか?



俺は言葉を一言も発していなかったジンさんの方を向く。



「!」



俺は、体が凍りついた。


ジンさんの瞳は、あの指輪を見たとき以上に怒りの色を宿していて

そして、見たこともないほど
冷たく、鋭い。