…ジンさんの本音は、どうなんだろう。



敵にも“弱点”と言われるぐらいだから
ラグナのことを大事に思ってることは確かなんだろうけど。


…それは“幼なじみ”として、っていうことかもしれないし。


…いいな…、“幼なじみ”。


過ごしてきた時間が長い分、俺の知らないラグナをたくさん知ってるんだろうな。






…ちっ。



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「見えたぞ、ジェフ。指定された屋敷だ。」



ジンさんの言葉に、俺は腕時計を見る。



「時間は五時五十九分!

よかった、間に合いましたね!」



俺たちは、屋敷の門の前で立ち止まる。


ジンさんは、ギィ…と、重い門を開けた。



…緊張してきた。


この屋敷の中に、ラグナがいる…?



ジンさんは、無言のまま、屋敷の扉を開けた。