いつものように、ボサボサの髪を直して自転車に乗ってちえと合流する。
「昨日の月9見た?」
ちえはふわふわとした笑顔で聞いてきた。
「見た見た!主演の山田くんだっけ?同い年であの演技力はすごいよねー、あーあんなかっこいい子が転校してこないかなー?」
「深雪なにいってんのー?そんな少女まんがみたいなことあるわけないし」
「分かってますよ。それよりさ今日部活休みだしカラオケいこ!」


そう、このときの私はなにも知らなかったんだ。
本当に少女まんがみたいな出会いがあるってこと。