「‥‥‥‥あんたなんか‥‥‥‥」
「‥‥‥‥お母さん‥‥‥‥」
「その顔で近づかないで!!!!‥‥‥‥‥‥あの人の顔なんて見たくない‥‥!!なんで‥‥こう似ちゃうのよ‥‥‥‥あんな男に‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥おか‥‥」
傷を見ると思い出す母親とゆう存在。
だからできるだけ前髪をのばし、他人にも自分にも見えないようにしてきた。
だが、朝髪を上げて顔を洗う時どうしても目に付いてしまう。
しかし顔を洗わないと凛子さんに嫌われてしまうかも知れない。
そんな単純な理由で嫌な過去を思い出すのかと思うと思うが、
俺の中はほとんど凛子さんでできている。
というか、俺にとっては嫌な過去ではないのかもしれない。
最後に見た母親の顔はぐちゃぐちゃに濡れていて、よくわからなかったけど。
綺麗な人だよ、と施設のお母さんが話してくれた。
今はまだ来れないけど、もーすぐお母さんが迎えに来るよって。
あれから15年。
母親がどこにいるのかもわからないし、
会いたいのかもわからない。
でも、神様は不公平だとかは思わなかった。
むしろ感謝してる。
家族の暖かさをしらない俺に
神様は凛子さんとゆう暖かさをくれた。
キザっぽい言い方になるけど、
ほんとうに俺はそう思っている。