「悪かったって、キライにならないで」

なんて笑いながら謝るこいつは、俺の親友。夏目 大翔〔ナツメ ヒロト〕、中学校からの同級生。

「なるかもな〜。」

嘘。

「10円あげるから〜。」

「なんで10円、笑える。」

「ポケットに入ってたから」

「いらねぇ、けどもらっとく。」

「っお、許してくれんの⁉︎」

「まぁ、許してやんよ。」

「うわ、イケメン。俺惚れちゃう」

顔を手で隠して、裏声で気持ち悪く言った大翔に、「本気で惚れろよ、馬鹿。」なんて思った俺。