入学式当日

「おーいー起きろよー?」

あいつは、あの日から頻繁に私の家に来てくれるようになった。

「あれ?学校まだ時間大丈夫なの?」
「ギリギリだよ。だから、早く起きて。それと、これ、親がお前にって売る前のケーキ渡してくれぞ。お前朝からでもケーキ食べれるだろ?」
「うん!あんたんとこのケーキ美味しいから好きなんだよねー♡」
「ほら、早く食べて学校行くぞ。」
「ねー?ケーキ屋さんにならないのー?」
「アホか。俺は水泳選手になるんだよ」
「あー、早いもんねー。中学の時もバンバン表彰されてたし」
「俺は天才だから当たり前なの。それより、早く行くぞ」

あいつは、鞄をもって玄関に向かう。それを見て焦った私は、パンを口に詰め込み牛乳で流し込んだ。
「っちょっと待ってよ〜」