(会いたいから公園に今すぐ来て。)

返事は五分後に

(分かった。)

とだけ送られてきた。


誰もいない静かな公園で私はブランコにのりひたすら揺られていた。すると、視界に足が写った。
「あ・・・結構早かったね・・・」
「まあな・・・。」
私はブランコから降りあいつの前に立った。
何でもないフリをしてただひたすら私は喋った。
「あのね、私立合格した。」

「うん」

「ごめんね、メールで言うの忘れてた。」

「うん」

「先にママに言いたくってメールしたんだ。」

「うん」

「でも、全然見てくれなくて家帰ったら誰もいなくてさ。」

「うん」

「そしたら、知らない女の人から電話がかかってきてお母様が事故で息を引き取りましただってさ。」

「うん」

「・・・何でかなーお葬式の時もお通夜の時も泣けなかったのに・・・」

「・・・」

「今すごく泣きたい・・・」

「泣けばいいと思う。俺の前でも無理して笑う必要ないから。安心しろ。お前はよく頑張ったと思うよ」

あいつはさっきからずっと返事しかしていなかった。それは、あいつなりの優しさの形だった。だからなのか今のあいつの言葉は凍った心を溶かすようにじわじわと温かく染み込んでくる。
私はあいつの言葉が心にストンと落ちた瞬間
涙が零れそうになった。
顔を隠す為あいつに駆け寄り抱きしめた。

あいつは一瞬戸惑っていたが目をつむりこう言った。