俺は教室を出た後、屋上に向かった。
ガチャ
ドアを開けると生暖かい風が吹いた。
そういえばこの学校に来てから初めて葉月と話した場所だ。
あの頃は楽しかったのに。
ポロツ
涙が頬を伝わった。
男なのに、情けない。
「うっ…」
でも…それぐらい悲しかった。
葉月に嫌われたのが。
さっきの出来事を思い出す。
「ムカつく...」
なんで俺があんなこと言われなきゃいけないんだよ!
俺、だってお前のことなんて、
ーーーーー嫌いだ。
************
この時、俺は知らなかった。
葉月がどんな気持ちでいたのか。
―――ごめんな、葉月。