クラスに沈黙がはしる。
先に口を開いたのは亮だった。
「なぁ…葉月。最後に一つ聞いて良いか?」
亮がそう言ったので私は深く頷いた。
「葉月は…俺のこと、嫌いになったのか?」
そんな訳、ないじゃない。
大好き…だよ。
好き好きで…苦しいくらい。
亮と目が合う。
私は逸らさずに口パクで、
“うん、嫌い”
そう呟いた。
すると亮は「そうか。」そう言いながら微笑み…
「葉月、ごめんな。」
そう呟いた。
亮の目にはうっすら涙が浮かんでいた。
「ちょと…俺、一時間目さぼるわ。」
そう言いながら亮は私の横を通り過ぎ…教室を出た。