「おい!お前さっさと授業始めろや。」 亮がため口で担任に言った。 その後、亮は席に戻ってきた。 私は亮の顔を見ながら口パクで“ありがとう”と呟いた。 すると亮は手でピースサインをしながら微笑んでくれた。 亮の優しさが身にしみて涙が溢れそうになる。 「じゃあ教科書開けて〜」 担任の声が震えている。 私と亮は顔を見合せ笑った。 亮、ありがとう。 私はその言葉を心の中で何度も呟いた。