……イライラ、イライラ 俺は、今最高潮に不機嫌だ。 なのに、空気をよまない(よめない)奴が一人いる。 「大輝(だいき)ー!」 「死ね。」 夏という暑苦しい中、抱きついてくるコイツの気が知れない。 「大輝、冷たーい」 「うざい。近寄ってくんな」 潤(じゅん)を適当にあしらい、イライラの元凶がある窓の外を頬杖をつきながら再び見る。 ……なんだよ、あれ。 あんな近くなくても良いじゃねーの。