風でたなびいた髪を少しいじり流羽は家に入っていった。


「叔母さんただいま」


呼んでも返事をしない


いつものことだった、13歳の時に父母は交通事故で死んでしまった。


しかし私はその場にいなかった。


流羽はその日ちょうど海外の祖母の家へ遊びに行っていたのだ。


流羽が帰ってきたときにはもう息を引き取った後だった。


母方の姉が殺したと聞いたが、彼女に恨みを持ったところで何かが変わる訳では無い。


だから流羽は叔母のことを気にしないように心がけていた。