「意地なんてはってないもーん。早く教科書届けてくる」 ゆっこに早口に告げ、急いで恭平のいる3組へと届けに行く。 わたしは5組だから、そう遠くはない。 3組のドアの前に行き、恭平を探す。 「あ、いた。きょうへ――――」 呼ぼうとしたけど、わたしの目の先にいた恭平の隣には女の子がいた。 ―――ああ。 これじゃあ渡せない。