「未紗ー!恭平くん来てるよ~」 「え?恭平?」 わたしを呼んでくれたのは、わたしの親友の大舘唯子(おおたちゆいこ)ことゆっこだ。 そしてドアの隙間から顔をのぞかせたのは、わたしの幼馴染、佐藤恭平だ。 「みーさ!現国の教科書ある?」 「また忘れたの?わたし今日現国ないよ」 いたずらに笑う恭平をよそに、わたしは冷たく言い放った。