誰も喋らず、いつも騒がしい廊下が静かだ。

そんな静かな時、夕菜があたしに

「天音!行くよ!」

と言った。


「え・・・でも、羽柴くん・・・。」

夕菜に手を引かれて連れて行かれそうになった時、

羽柴くんが口を開いた。

「・・・おい」

「・・・なんですか??」

また沈黙・・・。

「お前、彼氏・・・とかいるか・・・?」

あたしはびっくりした。

まさか羽柴くんからそんな質問を受けるなんて。

「・・・いいえ・・・」

「そか・・・」

またまた沈黙・・・。

「天音!ほら!行くよ!」

そう夕菜があたしの手をもっと強く引っ張った時だった。