「おい。」

後ろから声をかけられた。

後ろに立っていたのは、オオカミこと『羽柴夢斗』だった。

「あ・・・!オオカミ君!」

「天音!羽柴だよ!本人の前で『オオカミ』なんて言わないの!!」

夕菜があたしに耳打ちする。

そっか・・・。

羽柴くんね・・・!

「羽柴くん。さっきはごめんなさい・・・!怪我はありませんでしたか・・・??」

あたしは羽柴くんに謝った。

「・・・ああ。」

ぶっきらぼうに答える。

「そっかあ!良かった♪」

あたしは大きく喜んだ。

良かった!怪我、してなかったんだ!

「あ・・・!そういえば、羽柴くんは何の用ですか??」

やっぱり、ぶつかったことだったのかな・・・。

羽柴くんは動かない。

「羽柴くん・・・??」