あたしは夕菜と教室に入って、席についた。

「さっき、オオカミにぶつかってたな~」

隣の席の中崎君が言った。

中崎君とは仲が良い。

「うん。なんか、痛そうな顔してた・・・大丈夫かな~」

「お前、オオカミの心配してんの?」

「うん。だってあれはあたしが悪いんだから~」

そう言うと、中崎君は笑った。

「あははっ初め見たわ~オオカミの心配してんの!」

「え!?みんな、心配しないの!?」

びっくりだ。心配しないんだ~。

「しねーよ!まず、近寄りたくない!」

「ほえ~そうなんだ~」

「本当、お前は天然娘だな!」

「馬鹿な中崎君には言われたくない~」

「うるせー!」