「じゃあ千佳ちゃん今日はもう上がりでいいよ。楽しいクリスマスを過ごしてね♪」

ご機嫌にウインクしながら言う店長の言葉に甘えてバイトを上がる事にした。

近くのケーキ屋さんで大きなベリータルトを買って足早に帰る。

この前悠と出掛けた時に二人で食べたいねって話していたタルトだったから早く悠と一緒に食べたくて。


家に着き、リビングに行くと壁にキラキラしたリースが飾られていて、カウンターにはサンタの置物があった。


「あっ!千佳おかえり!」

サンタの帽子を被って、悠が出迎えてくれた。

「すごいしょ?こんくらい盛大にやってみたかったんだー」

子供並にはしゃいでて、とても悠らしかった。

「そういえばね、この間みたベリータルト買ってきたよ」

袋から大きな箱を出して中を出すとイチゴに、ブルーベリーが沢山のったタルトを見て悠が更に嬉しそうに喜んでくれた。

「タルト真ん中に置いて飯食おうぜ!」

頷いてコートを脱ぎ、椅子に座って悠いわく3時間かけて作ったというクリスマスディナーを二人で食べた。

大きなチキンに思いきりかぶりついたり。


「もうお腹いっぱい…」

「俺も、もう食えん…」

悠が張り切りすぎて作った料理は二人じゃ到底手に負えなくて、余りは冷蔵庫に入れてソファーにもたれかかる。


「ねえ、千佳。この部屋にプレゼントがあります!探してくーださいっ!」


そう言うとあたしをソファーから立たせて背中を押してくる。


あたしも気になって、部屋中を探すことにした。