「くあ〜〜やっぱ家が一番だ」

家に入るなりソファーになだれる悠。


あたしは部屋着に着替えて夜ご飯を作る。


「千佳〜このライトどこに置く?」

悠が早速買ったライトを持って部屋をウロウロしながら言う。

あたしも迷いに迷い、結果的にベットの横にあった本棚の上に置くことにした。


ご飯を食べてる時は笹原くんの色んな話をしてくれて、笑いが絶えなかった。


あたしがお風呂から上がると悠も脱衣所に向かっていった。



タオルで頭を拭きながら、テレビ台の横にあるヒヨコを見てクマの置物のことを思い出した。

紙袋から取り出して手に取ると、照明の光に反射して顔の下のリボンがキラキラと光っている。

ヒヨコの隣に置くと落ち着いたこの部屋にとっては癒しそのものだった。

ヒヨコとクマを眺めていると悠が髪を掻き上げながら脱衣所から出てきた。

「そんなとこでなにやってるの千佳」

「今日ね、買ったのこのクマ。ヒヨコの隣に置きたくてさ」


あたしの横に悠もかがんでヒヨコとクマを見つめる。


「こいつにも隣に居てくれるやつが出来たんだな」

ヒヨコの頭を指で撫でながら悠が微笑む。

悠の笑顔は本当に優しくて安心する。