目が覚めると、隣で寝息を立ててまだ寝ている悠がいた。


可愛いな。なんて思いながらあたしはキッチンに向かって朝食を作る。


朝食を作り、髪を整えて制服に着替えた頃に悠が起きてきた。


「おはよ千佳」

眠そうな声と顔で寝癖が跳ねてて可愛い。

「おはよう悠」

思わず口元が緩んでしまう。


一緒にご飯を食べた後、念のため怪しまれないようにあたし達は時間差でマンションを出る事にした。


あたしは最初にマンションをでて、学校に着いたのは8時10分頃。


あたしが席に着くなり、あたしの顔を見たブリっ子が顔をひきつらせる。

「ちょっ、どうしたのその顔!ファンデーションでも隠れないくらいひどいよ?」

普段はしないファンデーションで隠したつもりだけどやっぱり他人から見て分かってしまうくらい口元が腫れていた。


「ん、色々あってさ」


あたしの返事にふーんと返すとブリっ子は携帯をいじりはじめた。


そして8時20分になった頃、悠が教室に入ってきた。


改めて学校で悠を見ると、なんというか
すごく照れ臭い感じがした。


悠を見ると、お互い目が合って悠が声に出さず何かを言った。


その言葉が分かった瞬間、顔が一気に熱っぽくなるのがわかる。




『好き』