しばらくして料理を作り終え、千佳の前にあるテーブルに置く。


オムライスの卵の上に、さっき千佳が可愛いと言っていたヒヨコをケチャップで書いた。我ながらの傑作。


千佳はその絵を見て静かに笑った後、一口オムライスを口に入れた。


ピタリと止まる千佳の手に俺の緊張と不安は更に高まる。

「…うまいか?」


千佳は小さく頷くと笑顔で一番美味しいオムライスと言ってくれて、俺は内心ホッとした。



それから千佳は黙々と食べ続け、あっという間に完食してしまった。よっぽど腹が減ってたんだろう。



千佳は食器を台所まで運ぶと、正座なんかして黙ってしまった。


お互い緊張してる状態の空気はただ重く、話題を考えたい所だけど俺の頭もついていかず…。


そんな重い沈黙の中、最初に口を開いたのは千佳だった。