その後、俺は龍平の家を後にして予約していた美容室に行った。
帰りには薬局でピアッサーとピアスを買って昨日の続きをしなきゃならないため家に帰る事にした。
家に帰ると早速ピアッサーを自分の耳たぶに当てて力を込める。
パチンという音と共にわずかに感じる痛み。
ピアスを付けて鏡に向かった。
自分自身でもビックリする程変わった容姿。
金色に染まった髪の毛に耳には両耳共に2つのリングピアス。
少しやりすぎた様にも感じたけどこんな見た目なら誰も寄ってきはしない。
そして忙しい毎日を過ごしているうちに入学式当日になった。
転入生の俺は教室に行くのよりも先に校長室に向かった。
俺の姿を見るなり、その場にいた教員は驚いた様子だった。
そりゃそうだよな。
校長の長い話が終わるとクラスの担任であろうメガネをかけた男に案内してもらった。
そして1つのクラスの前で担任が立ち止まる。
「ここが今日から君が入るクラスだよ。僕が合図したら入りなさい」
そう言って担任は何やらクラスで一言話した後、俺の方を向いて手招きをする。
俺はドアを開けて、教室の中に入った。
ザワザワと雑音が聞こえる。
やっぱりこの見た目だな。
でも、このうるさい教室の中で1人
ただひたすら窓の外を見つめる奴がいて…
その瞳はどこか悲しそうで。
何故か少し気になったんだ。