目を覚ますと窓からの光がとても気持ちよかった。


やっぱり何処よりもこの街が一番落ち着く。


体を起こし、ミネラルウォーターを口に含んで着替える。



龍平に会いに行くとは伝えていなかった。


小6の時に離れて以来、あまり連絡を取らなくなってしまった。


それでも俺の中での一番の友達であり、信頼者だったからこそ、一番に会いに行って驚かせたかった。



変わってしまったこの街だけど、少しだけ面影がある場所と記憶を頼りに3年ぶりに龍平の家に来た。


いざ着くと緊張してしまって、インターフォンを押す指に力が入る。


---ピンポーン



ベルが鳴るとすぐに誰かが出てきた。


「はあい…って、お前まさか…?」


出てきたのは寝起きであろう髪の毛が乱れまくっている龍平だった。


状況が理解できないのか、固まる龍平。

それもそのはず。4年ぶりの上、連絡もしてないのだから。


「俺、今年からこっちで暮らす事になったから」


「はっ…お前マジで悠なの!?え、おっきくなったなお前!久しぶりすぎるぞ!」


成長したのは見た目だけであって、中身は全然変わっていない龍平に俺は久しぶりに心から笑えた。


その後、俺は龍平の家に上がらせてもらった。


『あら悠くんでしょ!大きくなったわね〜』

昔と変わらない優しい笑顔を向けてくれる龍平のお母さん。


そして久しぶりに龍平の部屋に来た。

相変わらず星が好きなのか、部屋の中はまるで宇宙みたいで、観察用の望遠鏡もあの頃のまま使っているようだ。


「すげえ懐かしい。お前なんにも変わってないんだな」


「懐かしいのはお前の方だよ。家族みんなでまたこっちに戻ってきたのか?」


やっぱりそう思うよな。


龍平にならいいと、東京での4年間の話を全て話した。


途中龍平は、怒り狂った様な顔をしたりもしていたけど、すぐに冷静になる。


「そっか。おばさん気の毒だったな…」


龍平は、悲しそうな顔でそう言った。