誰もいない、ジルと2人きりの
特別な空間ーーーー。
緊張と胸の高まりで心臓が
壊れそうーーー。

「さえ様……?」

「ジル……」


気がつくと、ジルの顔が
ものすごく近いところに迫っていた。
ありえないくらい、綺麗に整った
ジルの顔はかっこいい、というより
美しかった。


「教育係は、 プリンセスと恋愛関係に
なってはいけない、王宮のルール
です。」

「知っています……」

「……それでも、貴方を想う気持ちを
抑える事はできません。
さえ様が欲しいのです………」

「……ジルっ」